★ ワン太の涙 ★ (白百合姫さん)

今年3月撮影。すっかり元気になってくつろぐワン太。
一度だけワン太が涙を出して泣いたことがある。犬なんて泣かないと思っていたけ
ど、犬も人間同様、悲しい時、辛い時には泣くんだ。 それは、昨年の8月31日の午後8時頃。団地の花火大会とかで花火の物凄い音がした時、頭の中がパニックとなったワン太は、空いていたドアから韋駄天のごとく飛び出し、どこかに向かって暴走してしまった。 雷に脅えたり、花火の音を怖がったりする犬は多いが、ワン太も例外ではない。やがて、花火大会も終わり、夜も更けて静かになったのにワン太は帰ってこない。家族総出で団地内を探したけれど、いない。帰ってこなかったらどうしょう。随分今まで可愛がったからもういいかとか皆言うけど、やっぱりワン太の居ない家は何か寂しいのだ。 午前零時頃、次女が寝る前に気になってもう一度、玄関のドアを空けたとき、そこにワン太がうずくまっていた。 「ワン太がいたー」と明るい家の中に入れたところ、お腹全体の皮が垂れ下がり、大変痛そう。元気もない。ということで翌日動物病院へ。クルマにはねられたか、人間に蹴られたかは先生にも不明。昨日の垂れ下がった皮は元に戻ったけどお腹全体紫色に内出血。早速病院では、これまた、事務的に診察台にワン太を乗せ、お腹全体の内出血しているところの毛を電気バリカンで刈り取る。これまた何されるのかとばかり台の上で大暴れ。みんなで顔持ち、前足持ち、後ろ足押さえつけで、やっと観念して静かになった。ジッと毛を刈られるの耐えているワン太のその目に涙の粒が光った。 泣いているー。昨日と今日、一生で一番痛くて辛かった日。ワン太はこらえきれなかったのだろう。 それから1週間、薬を塗っているおなかをなめないようにとTシャツを着て、団地の中を散歩するワン太の姿があった。 「ワン太ちゃんおなかどうしたのー」と近所のおばちゃんから声がかかった。
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